知的財産権による画面デザインの保護について

(1)画面デザインについて


今日、画面に表示されるインターフェースに対して、マウス等の操作機器を介して画像内の要素を選択することにより指示を与えたり、各種の結果を得ることができる表示制御が一般的に使用されています。


このような表示制御を行う画面デザインに工夫をこらして需要者にアピールする技術開発も頻繁に行われています。



(2)保護の形態について


画像デザインを創作した者がそのデザインに対して保護を受けることができれば、ビジネスで競争力を持つことも可能です。画面デザインは、不正競争防止法による保護、または著作権、意匠権、特許権により保護されます。


ここで、画面の知的財産について、意匠権で保護されているものと、特許権により保護されているものをご紹介いたします。


(3)意匠権による保護


意匠権として次のような画面デザインが保護されています。


図1の意匠は、温水暖房器のコントローラーに表示される画像であり、画像が実線で表されており、リモコン全体と、リモコンの操作ボタン等が点線で表されています。権利者以外の者が、温水暖房器のコントローラーに図1のような画像が表示されるリモコンを販売や製造すると権利侵害となります。

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                        図1(意匠登録第1517048号)

(4)特許権による保護


一方、特許権として、次のように画面に表示される広告を画面上のポインタの位置やその位置の変化に応じて広告の態様を変えるものがあります(特許第5661704号)。


まず、図2のようにポインタ(P)と広告(A)が画面に表示されるものを前提とします。


ここで、図3のようにポインタ(P)が第1の領域(R1)の外から中に移動したときに、広告(A)が広告(A+E)のように、(E)の部分が新たに表示されて、広告が(A)ユーザに対して注目をより集めることができる、というものです。



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                        図2
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                        図3