特許権者は、業として特許発明を実施することができますが、権原なき第三者は、業として特許発明を実施することはできません。特許権者は、市場において高い優位性を築くことができます。
特許・実用新案
発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(2条1項)です。発明は、「物」の発明と、「方法」の発明と、「物を生産する方法」の発明とに大別されます。ソフトウェア関連は、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されている場合には、方法の発明又は物の発明として保護されます。ビジネスモデルもまた、ソフトウェア関連発明であると認められればビジネスモデル特許として権利化することができます。
特許権の効力
・差止請求権(100条1項)-自己の特許権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます。
・廃棄請求権(100条2項)-差止請求権を行使するに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄等を請求することができます。
・損害賠償請求権(民709条)-特許権が故意又は過失によって侵害された場合、損害によって受けた損害の賠償を請求することができます。
・不当利得返還請求権(民703条、704条)-正当な法律上の理由なく他人の損失において財産的利得を受けた者に対して、最大限に受けた損失を限度としてその利得の返還を請求することができます。
・信用回復措置請求権(106条)-侵害により業務上の信用が害された場合に業務上の信用を回復するのに必要な措置を命ずるように裁判所に対して請求することができます。
・補償金請求権(65条)-出願公開後、特許権の設定の登録前に業として出願にかかる発明を実施した者に対して請求することができます。
このように、特許権の侵害に対して様々な権利が認められています。侵害が故意に基づく場合には侵害者に罰則が課されます(196条、196条の2)。
特許権の財産的側面に着目すれば、特許権を譲渡して収入を得ることも可能です。また、特許権者は、他人に対して実施許諾(ライセンス)を与えることができるので、ライセンス収入も期待することができます。
実用新案制度は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案の保護及び利用を図ることにより、その考案を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的としています(実1条)。
実用新案制度には、次のような特徴があります。
・実体的要件についての審査を行うことなく登録がされ、早期権利化保護が可能である。
・権利維持に係る費用が特許よりも安価なため、特許庁に納付すべき実用新案関係料金は特許関係料金の6~7割と低廉である。
実用新案制度を利用すれば登録番号を安価に迅速に取得してお客様の製品に表示することができます。
実用新案制度による出願についてご質問がありましたら、こちらからお問い合わせください。
取扱い業務
・出願業務 - 特許出願、実用新案登録出願
・調査業務 - 先行技術調査、クリアランス調査、無効資料調査、FTO調査
・中間処理業務 - 自発補正、拒絶理由対応
・審判・異議申立業務 - 拒絶査定不服審判、無効審判、訂正審判、特許異議の申立て、行政不服審査法による不服申立て
・訴訟業務 - 審決取消訴訟、侵害訴訟
・鑑定業務 - 鑑定、口頭鑑定
出願取扱い分野
■機械技術、電気・電子技術、制御技術、ソフトウエア技術、ビジネスモデル
機械技術、電気・電子技術、制御技術、ソフトウエア技術の各技術における発明を抽出把握するのみならず、複合技術に対してあらゆる観点からアプローチして、発明を抽出把握します。
機械技術、電気・電子技術、制御技術、ソフトウエア技術の各技術における発明を抽出把握するのみならず、複合技術に対してあらゆる観点からアプローチして、発明を抽出把握します。
機械分野
ex) 機械、機関一般、自動車関連、機械設備、燃焼機関、流体用機械、圧縮性流体用ポンプ、流体圧アクチュエータ、照明、日用品
電気・電子分野
ex)
放送通信、秘密通信、画像通信、パルス技術、伝送、発電機、電動機、増幅器、ケーブル、導体、抵抗器、白熱ランプ、電力の供給、電力ケーブル
メカトロニクス
技術開発でイノベーションを起こすには、機械工学や電子工学といった単一の分野の開発にとどまらず、左図のように、それぞれの分野の要素を取り込んだ複合技術による開発が必要になります。
KEN知財総合事務所では、このように様々な技術が要素として組み込まれている技術に対しても、発明の本質を捉えて広く権利化するために尽力いたします。
※図は、特許庁HPから引用
半導体技術全般
ex) 太陽電池、太陽電池製造装置、薄膜製造装置、印刷装置、熱処理装置、プラズマ処理装置、ウエハ
※ KEN知財総合事務所は、東北大学・大見研究室の案件を数多く取り扱っています。
光学関連技術
ex) 光ファイバー、光ファイバー伝送装置、光学レーザー機器
ソフトウェア・ビジネスモデル特許
ソフトウェアのみならず、ビジネスモデルも特許化することが可能です。
ソフトウェアやビジネスモデルの特許化についてご相談がありましたら、ぜひともお問い合わせ下さい。
ビジネスモデル特許の具体例
ビジネスモデル特許の元祖とも言われているマピオン特許(登録番号:第2756483号)について紹介いたします。
マピオン特許によると、まず、広告依頼主から、飲食店等の店舗に関する宣伝情報と、店舗の位置に関する位置情報を取得し、それぞれを関連付けて記憶します。一般ユーザーが地図を閲覧すると、地図上には位置情報に応じてアイコンが表示されます。そして、ユーザーが、あるアイコンを選択すると、その位置情報と関連付けられた宣伝情報がユーザーに対して表示されます。
つまり、広告依頼主から広告のための情報を入手して記憶し、ユーザーが閲覧する地図にその情報を表示させる、というビジネスモデルを特許にしたものです。
ソフトウェア特許の具体例
ソフトウェア特許に関し、左図のような表示制御の発明も特許として権利化できます(登録番号:第4258850号)。
タッチパネルに表示される制御対象(例えばキャラクター)をユーザーがタッチすることにより、あるキャラクターが選択され、タッチした位置を始点としてユーザーがタッチパネル上で指の接触を維持したままドラッグすると、ドラッグした軌跡に沿いつつ指の動きに遅れて選択したキャラクターが移動し、ユーザーが指の接触を離した位置を終点として、終点に向かって選択されたキャラクターが移動するように表示制御する、というものです。
例えば左図の真中の図ように、選手が指の動きに沿って走るように表示制御されます。